ドメーヌ・ド・コッケレル社
ドメーヌ・ド・コッケレル社は1937年に設立して最初はシードルを製造し、その後コッケレルの館を購入しました。ドメーヌ・ド・コッケレル社の拠点はリンゴの産地としても有名なノルマンディー、ブルターニュ、メーヌの境界にあります。会社はその後発展を遂げ、1971年にはグループASBACH&CO.の傘下に入り、急速に成長を遂げました。1980年にはASBACHグループの販売ネットワークを通じて輸出を始めました。りんごを豊富に入手でき、周辺にアクセスの良い立地だったことから会社はその後も発展しました。1992年にはギネスが会社の所有者となり、1996年にはジャン・フランソワ・マルタンがドメーヌ・ド・コッケレル社のオーナーとなり、現在では売上の半分が輸出で構成されています。
カルヴァドス「ポム・ド・イヴ」が出来るまで
春、りんごの実がまだ小さい内に、実を空瓶の口から通し、瓶を木の枝に直接くくり付けます。こうすると、瓶の中でりんごが成長します。9月末にりんごが成熟すると、瓶とともに木から注意深く切り離されます。その後、アルコール度数45%のAOCカルヴァドスを瓶に注ぎ、りんごの実をアルコールに浸します。最低3週間から4週間経過した後、瓶内に残ったカルヴァドスを空け、再度、アルコール度数45%のAOCカルヴァドスを瓶に注ぎます。4〜5週間後、瓶のカルヴァドスを再び空け、アルコール度数40%のAOCカルヴァドスを注ぎます。その後、瓶は封をされ、出荷可能になります。このように、「ポム・ド・イヴ」の製造には、多くの時間・手間・技術が要求されます。天然の産物であり、工業的に量産することはできません。
“カルヴァドスAC”の誇りと格式
ポム・ド・イヴのラベルには、”Apperation Carvados Controlee”−カルヴァドスAC−という表記がなされています。これは、ノルマンディー地方の中でも、カルヴァドスの銘醸地として知られるペイ・ドージュ地区とドンフロンテ地区の周辺で栽培されたりんごだけを厳選して造られた、逸品の証です。この称号ともいえる表記が許されることは、カルヴァドスの誇りであり格式と評価の高さを示しています。