シャサーニュ・モンラッシェで19世紀から続く家族経営のドメーヌを営むドメーヌ・ベルナール・モロー・エ・フィス。優れた作り手がひしめくシャサーニュでも進境著しいトップクラスの生産者の1つです。ドメーヌの歴史は、初代オーギュスト・モローが最初のセラーを建てた1809年に遡ります。ドメーヌが管理する14haの畑(9haは自社畑、5haは借地)は、13のアペラシオンに跨ります。3代目当主のベルナールがドメーヌの経営を受け継いだのは60年代初頭のことで、就任時わずか14歳の若さにして1970年代には高い評価を確立し、トップ生産者としての礎を築きました。2000年からは4代目のアレクサンドルとブノワ・モロー兄弟がドメーヌの運営を引き継いでいます。アレクサンドルはブドウ栽培、ブノワは主に醸造を担当し、その評価は上昇の一途を辿っています。
モローの作る白ワインは、キレが良く、美しいミネラル感が豊かに感じられるのが特徴で、特に村名のシャサーニュ・モンラッシェは極めてコストパフォーマンスに優れた逸品です。赤ワインも極めて上質で、他の生産者が造るシャサーニュ・モンラッシェ特有の青っぽさや野暮ったさとは全くの無縁。穏やかな抽出でフィネスが際立つ上品でエレガントな味わいに仕上げています。
■テクニカル情報■ ドメーヌ所在地:ブルゴーニュ北部コート・ド・ボーヌ地区シャサーニュ・モンラッシェ村 アペラシオン:計13箇所に跨る
畑面積:14ha(自社畑9ha+借地5ha) 土壌:赤ワイン向きの粘土質、白ワイン向きの小石混じりの石灰岩質、泥炭岩質、砂礫質土壌など多様
栽培:全ての畑で有機栽培農法を採用し、出来るだけ自然環境に負荷をかけないアプローチを実践(公式認定は無し)。耕作で土壌に空気を入れ、剪定による厳しい収量制限で高い品質を維持しています。収穫は全て手作業で行い、厳しい選定基準の下、丁寧に選果します。
醸造:空圧で優しく圧搾・破砕し一晩寝かせた後、天然酵母のみで自然発酵。養殖酵母での発酵が僅か3週間足らずなのに対し、天然酵母での自然発酵には、3~5カ月を要します。熟成は、全てオーク樽で行い、澱引きやバトナージュはせず、発酵の過程で生じた天然の二酸化炭素を可能な限り樽内に残すようにしています。レジョナルのブルゴーニュは古樽を使用し、ヴィラージュは新樽率25%、プルミエ・クリュは新樽率30~50%、バタール・モンラッシェとシュヴァリエ・モンラッシェは新樽率100%。樽の風味が強く出過ぎないよう、新樽の焼き加減は全てライト~ミディアムに留めています。グラン・クリュの生産量は毎年僅か3樽。熟成期間は、12~20カ月程でヴィンテージにより推移します。熟成後はタンクに移し、更に1~3ヶ月のデブルバージュ(静置)で澱を底に沈め、軽く清澄し、無濾過で瓶詰します。
輸入元 株式会社ミレジム